今回は断熱性能の違いについて書きたいと思います。
まず断熱材の役割が分かるイメージ図をごらんください。
右図:低い断熱性能の家、左図:高い断熱性能の家。
壁の熱貫流率=断熱性能がことなる
※数値が小さい方が断熱性能が高いです
断熱性能が違うことでおこること
・室内温度は同じ20℃になるが、温めるため必要なエネルギーの消費電力が断熱性能の高い家の方が安い。
・室温温度は同じ20℃だが、体感温度がことなる。
なぜ体感温度がことなるのでしょう??
その理由は、熱が移動しているからです。
熱は温かいほうから、冷たい方へ移動します。
イメージイラストで言うと、床の表面温度が10.8度と18度に対して、人の体温が36度だった場合は体温のほうが高いので、低い温度の床へ熱移動(熱伝導)します。身近な物では、使い捨てカイロが暖かいと感じるのも、体温よりカイロのほうが高温の為、暖かいと感じるのは、熱移動(熱伝導)によるものです。
また、人から出る熱(輻射熱)は空気を介して熱が移動します。
室内で人が集まると室温が上がる理由は、人から出る熱量が増えることで室温が上昇します。
その他に室内で起こる熱の移動には対流もあります。
対流は、液体や気体の流れに乗って熱が移動することをいいます。
吹き抜けがある家の場合、2階とつながっている吹き抜けや階段室に沿って熱は高い場所へ移動します、これを上昇気流といいます。
上昇気流で上がってきた暖かい空気と入れ替わるかたちで、冷たい空気が壁面に沿って下りてくることを下降気流、コールドドラフトと言います。
温められた水や空気は上に上がり、冷たくなった水や空気は下がり、その移動の流れに乗って熱も動きます。
これが熱移動の対流です。
結果
冬は冷たい空気が低い場所に留まり足元が冷えるだけでなく、
床や壁や天井の表面温度が室温より低いため、冷たい床に体温を奪われ寒く感じるのです。
夏場は
床や壁や天井の表面温度は室温より高いため、蓄熱した壁や天井から熱が放射され熱く感じるのです。
体感温度の算出方式はいろいろありますが、一番簡単なものは壁、床、天井の表面温度から求めることが出来ます。
体感温度=(室温+表面の温度)÷2
断熱と気密のバランス
しっかり断熱をしても外部と内壁の間に金属や柱などの熱を伝える部分の熱橋(ねっきょう)箇所やすきまがあれば、断熱材への投資効果は期待できません。
熱橋箇所やすきまあると、温度差が生じて結露がおこり、柱や断熱材の腐食、カビ・ダニの発生につながります。
断熱施工と気密施工はセットで考えてください。
最後に
高い断熱性能の家づくり大切な3つ数値ポイント
①断熱性能
UA(ユーエー)値=外皮平均熱貫流率
Q(キュー)値=熱損失係数
②気密性能
C(シー)値=相当隙間面積
※これまで計測された実績参考値
③省エネ性能(住宅の燃費)
年間冷暖房負荷[KWh/m2・年]
この3つの数値を確認して比較してみてください。
数字の値が小さいほど、躯体(建物)性能が高い家になります。